いろいろ

読んだ本の感想とか。男と男の膨大感情が好き。

「よろづ春夏冬中」

最近ついに毎日晴天!シリーズを読み始めました

ずっと読まなきゃとは思っていたものの後回しにしていたんですが、18巻秒で読み終えそうで唸ってます…

ていうか勇太が好きすぎるが!?何で世界の人たち誰も勇太の話してないの!?

読み終えたらまとめたいな

 

 

最近久しぶりに読み返したので、感想というか所感を

よろづ春夏冬中 (文春文庫)

よろづ春夏冬中 (文春文庫)

 

 

春夏冬中は“あきないちゅう”と読みます

この本、可愛い表紙に一般人が騙されがちなんですが、中を開くと全部男と男のあれやこれの膨大感情のお話で開けてビックリ~なんですよね

前にオタクでも腐女子でもなんでもない一般人の後輩ちゃんと長野まゆみ先生の話してたとき、「ちょっと調べてみたんですけど、この本とか読んでみようかな~」って言って見せられたのがこれで大焦りした、鳩の栖とかにしておきな

内容は短編集なので読みやすいです、一話もすっごく短い

現実の話だけど夢要素というか不思議要素というか幻想的な感じがある所は左近の桜シリーズと近いものがあるかも

初期のあのゴシック耽美な感じと、最近の感じの狭間みたいな空気の本で、私はとても好きです

っていうか好きだったのを思い出した

 

 

以下若干ネタバレ含みつつの収録話の短い感想です

 

 

「希いはひとつ」

これが一番最初の話なんですが、これだけ少し他のやつたちと毛色が違うな~と思います。めっちゃ好き

夢オチの夢オチのような…長野先生ってこういう世界が何重にもなってる話を書くの上手いなあと思います…と言ってしまったらネタバレかもですが

「神様どうかお願いだ」からの…トロイメライだ。の余韻がハンパない

 

「タビノソラ」

タビノソラという酔い止め薬から始まる話

男と男版・ちょっとダークな俺があいつであいつが俺で!?ですね(違うよ)

薬の訪問販売の引き出し、おばあちゃんの家にあったけどあのレトロな感じってすごいそそられたなあ

宝くじの博打感がまた漠然とした不安みたいなのを煽ってていい

 

「最低の一日」

電車の中で化粧をする、という実験からはじまる話

電車って本当にいろんな人が乗ってて面白いけど、たまに怖いというか、明らかに機嫌悪いのアタり散らかしてるだろう人とかいるよな~

これはそんなちょっと怖い感じを思い起こさせる話だなと思う

まったく理不尽な男と男だよ

 

「海辺の休日」

下品な表現ですけど、この話は商業BL!って感じ

予備校の講師と生徒って普通の学校モノよりエロいですよね

途中ちょっと寒そうすぎて毛布掛けてあげたくなる

かけひきかけひきすれ違い、からの、やっぱり先生って存在は一枚ウワテって世界の掟で決まってるんだな…

 

「飛ぶ男」

これは不思議味の強いお話ですね、10円の回収のされ方がべらぼうに好き

この話読むとxxxHOLICの夢の風船売り買いしてる獏のおじさんを思い出します

レンって名前の男は世界において“勝ち”って決まってんだよね

「こんどはもっと、お前のこと好きになってる」で飛ぶ(飛ぶ男だけに)

 

「待ちきれない」

あのGのつく虫を飼ったりなんかしてる冴えない先生と、強く当たれる関係の生徒のはなし

これは珍しく女の子がキーというか話の転になってますね

もっさい人が実は…みたいな話はいつどこで何回読んでもひっくり返るくらい萌えるんだよな、

 

「花のもとにて」

お花見と、兄と、その友人との思い出の話

これすっごい好きです~ねぷたの見送り絵みたいな感じで…(どんな?)

綺麗で幽玄ででも悲しいんですよ…

花見っていう浮かれ騒ぎとのギャップがクる、最後の一文が一行空けになってるのも素晴らしい好きです

 

「アパートの鍵」

油絵に触れたことある人はこの話、いっそう面白い気がします

白の出し方とか、メディウムとか、オイルとか…ときめくし、最後の調合してみたくなりますよね~

話全体にある白いイメージと、出てくるカレーのギャップがさ、なんか…正反対のもので…いいよね

シンプルに脳内にこの絵が思い描ける感じがまた良い

 

「雨過天晴」

代筆のバイト求人からはじまる話

墨を磨るって行為さあ…なんでこんなに…エッチなんだろうな…

この話は景色が綺麗です、天気が二転三転してキラキラしてる、けど蓋を開けると軽いSF

日付変更線を突き抜けてきたんだろう?が好きな日本語過ぎる

 

「ウリバタケ」

これは夕顔の鉢と、この本では珍しく険悪な二人からはじまります

左近の桜にも瓜の話ありますが、雰囲気あんな感じでなんというか生々しさがグロテスク

織姫と彦星の話が入り混じってたり、ちょっと神話みもあるからかな

メロンが死ぬほど好きだからさ、瓜の話は正座で読んでしまうよね

 

「獅子座生まれ」

この話もとっても好き、出てくるモチーフがたちが大好きです

上のウリバタケのその後のお話になってます

フルーツパーラーとか、ショートケーキとか、単語だけでももうワクワクする

芳井くんは受けだから、きっと無理だよ。(そうだね)

 

「雨師」

これはあとがきでも書かれてますが、あめふらし (文春文庫) という本と同じ世界観のはなしです

左近の桜にも出てきますね、雨師さん

同じ作者さんでひっそり世界観繋がってる話ってなんでこんなに高鳴るんだろうな…

雨師は絶対迎えに来るよ…

 

「空耳」

これは高校生と高校生の甘酸っぱいセイシュンのはなしです!

ちょっとだけ変態なだけで…ちょっとケンカを拗らせて冷たくしてみたかっただけで…そんなところもセイシュン…

長野先生が書く華道男子とか書道男子がたまらん好き

 

「猫にご飯」

この話が唯一表紙っぽい話です

ちゃんと茶碗でご飯食べたくなる、私はこれを読み直して茶碗をちゃんと買いました

個人的にはお兄ちゃんルートが読みたかった

 

 

 

そういえば桜うるわしの文庫がや~~~~~っと発売されましたね…!

長かった……何年待った!?でもうるわしのハードカバーの装丁大好き

最近は絵馬に願いを!の周回とワールドトリガーに激ハマりしたりしてます

ワートリがおもしろすぎる