「凜一シリーズ(白昼堂々シリーズ)」
なんか突然暑くなってもうすでに溶けそうです。
今から溶けそうになってたら真夏にはどうなっちゃうんだ?
と、この時期毎年思ってる気がする…
やっと図書館が開いたので、ずっと気になってた図書館の魔女を借りて読んでます。
めちゃくちゃ面白い!!!!!!!
早く読み終わりたいけど最高に面白いから絶対読み終わりたくない…という葛藤…
読み終わったら感想書きたいな。
最近、学生ぶりに長野まゆみ先生の白昼堂々シリーズを読み返しました。
大好きなシリーズなんですけど何故か左近の桜ほど頻繁に読み返してなくて…
久しぶりに読み返したら性癖全部詰まっててびっくりしちゃった。
凛一シリーズは長野まゆみ先生の著で計4冊。
白昼堂々シリーズとも言われてるんですけど私はずっと凛一シリーズって呼んでました。
舞台は1970年代の東京たまに京都、主人公は原岡(はるおか)凛一くん。
書かれているのは中学生~大学生にかけてのまちまちです。
この凛一くんの、家の話とか、恋の話とか、過去の話とか、人と人との関係の話です。
というかいろんな男と男の…主に凛一と氷川くんという年上の男の…話ですね…
基本ずっと男と男の話なのでご安心ください(?)
今の言葉で簡単に言ったら「アメフト部の優秀ワイルド系モテ男×文化部の美人病弱陰キャ」って感じですね。
一冊が厚くないのでサラーっと読めておすすめです。かつ美しいです。
凛一くんは華道の家元の孫なんですけど、このシリーズはその設定もあって作品の中にとにかくいろんなお花とか植物が出てきます。
それがとっても美しくて、長野先生の作風もあって更に空気が澄んでいるというか…
洗礼されている…という感じ…
時代が時代なので携帯電話とかそういったものが全く出てこないんですけど、そこがまた美しいんですよ…
私は植物が綺麗で携帯が出てこない本が大好きなんですけど(なんだそれ)、もとを辿ったらこれから影響されてたのかもしれないな…
とにかく作品の空気というか雰囲気というか、青とか碧って感じでとても好きです。
あんまり明るくなくて淡々としてて静かな感じも…
それと〝お家〟の話でもあります。
とにかくずっと凛一くんの家族とか親戚とかの話です。
私は華族ものとか〝お家〟があれこれ書かれた本も大好きなんですけど、そういったのが好きな方はまたたまらないんじゃないかな…
逆に血のつながった人たちとのあれこれあるのが苦手な方にはあれなのかもしれない…
いやでも直接的な表現とか何もないのでご安心ください。でもキスはする。
そんなに近くないんですけど従兄弟関係で色々…あったりします。
でも家といってもまたこれが複雑でして…でもそういうのも好き。
私はBLにおいて肉体関係のある親子とか兄弟モノはあまり得意じゃないんですけれど、このシリーズは大好きなのでそういった方には参考になればと思います。
以下はシリーズ順に並んでいます。あらすじ程度にネタバレ含んでますので注意。
①白昼堂々
凛一と氷川の出会いの話。凛一は中等部3年生。
この巻は省子(凛一の従姉)がたくさん出てきますね。
最初から最後までそうですが、凛一くんには結構イライラさせられますね!
なんで否定しねえんだ!あと何回倒れんだ!
でも大人しい顔して意外と強かな凛一は好きです。救われ受けの気質がある。
②碧空
凛一が高等部に上がります。
で、写真部に入部するんですけど、有沢という新たな男が出てきます。
有沢くんは凛一にバシっと言ってくれるから好き。普通にかっこいいしな。
凛一てめえはしっかりしろ!優柔不断すんな!
あと凛一の従兄弟の暁方(あきを)と正午(まひる)も結構出てきますね。
この従兄弟たちも好きです。暁方はこのシリーズ唯一まともな男だよ…
③彼等
凛一は高等部3年。
この巻は正午が…正午……おろおろ……になる……
あと千迅(ちはや)というクソずるい男が出てきます。好きだ。
とにかく正午が…うう……
氷川とは一歩後退…と思いきや前進!かもしれない!って感じですね。
凛一と氷川くんはずっと一進一退って感じです。
というか凛一の親戚たちが濃すぎ。
④若葉のころ
最終巻、凛一は大学生になります。
最終巻なので今まで出てきたいろんな人が出てきます。
結局、千迅がズルいです。
何言ってもネタバレになっちゃうけど、正午…!って感じです。(何?)
以下は読んだ前提での話です。めちゃくちゃネタバレしてます。
長野先生の本はズルい大人がたびたび出てくるけど、このシリーズも例に漏れず出てくる…
まず千尋…でも千尋は最初ズルかったですけど、どんどんヘタレになっていきましたね…でも私はそんなヘタレの千尋が好きだよ…
晟先生とのあれこれ、めっちゃツボです。
凛一に晟先生の面影を見るうちに凛一に心が揺れてたのあ~~って天を仰いだ。
でも彼は大事なとこで逃げちゃうしめっちゃ…ヘタレ…だ…結婚させられちゃうし…
しかも晟先生との詳しくは書かれずにあるのがまた妖しさを増しててうまいですよね~
後々千迅との幼少期エピソードとか出てきて可愛かった。
千尋のとこの兄弟の数字もじった名付け方とか小さいけどめっちゃツボです。
そして千迅…なんかもうずるい…ずるい香りしかしないしずるいしずるかった。
銀の眼鏡ってずるいし登場もずるい。
彼も凛一にズバっと言ってくれる一人なので好きです。
最終巻でちょっと過去が明らかになるけど、なんだかんだ千迅も千尋と似たヘタレみあるな…とおもってめちゃくちゃに悶えちゃう。
頭がいいのにそれに頓着しない辛辣な男…
あと正午と暁方の兄弟は、とにかく正午が…あんな…まさか…頭を抱えた…
学生の時読んだ頃は正午の一連の事件、正直あまり理解してなかったなあと思います。
あの例の事件の、自分の流儀を砕かれた~みたいなところですね。
成長していま読んだらとても理解できて、だからいっそう切なかった…
有沢くんに救われて良かったけど、有沢くんも頑なに凛一ひとすじだからな…
なんかどっか可哀想ですよね正午は…
暁方は先生とのエピソードめっちゃ好き。
BLのナイスアシスト班のひとたち大好きなんだけど、暁方はトップクラスのナイスアシスト班。
正午のこと大事にしててほんと良いですよね…ほっこりする…
と思えばあのなんか飄々とした裏に正午にめっちゃ借りがあってそういう重いの秘めてるのもほんと良い。
正午も言ってたけど、みんななんだかんだで凛一の事が放っておけないんですよね。
ズルいくせにそこは自覚してない魔性の男なんだな~
氷川くんの話全然してないや。
カップリング(と言いたくないけどあえて言うと)としてはあんまりそそられない二人なので…というか凛一は気が多すぎだし周りが本当に濃すぎる。
氷川くんはなんかもう「選ばれた男」って感じですもんね。
自然と人が集まるし華があるし何をしても許される王様空気を持っているというか。
凛一はだからこそ惹かれるんだろうな。
長野先生のそういう…シーンは直接的な事なにも書かれてないし、なんならどこまでしたも定かではないのに、なのにとにかくめちゃくちゃエロくて頭を抱えます。
エロスとは……(エロスのゲシュタルト崩壊)
凛一の親の事とかも…最後いちばん血の遠い千迅と両親の写真もらいに行ったのが良かったですね。
氷川君も結局家の事で空洞を抱えてて、お互い似たものを持ってて、だからこそそれを凛一に吐き出せてたんだろうな~
弱みを見せられる唯一の人間にはそりゃあ魅せられるよね~
終わり方も静かで好きです。
満開の桜じゃなくて、葉桜の方が好きってやつ…花だけが見頃じゃないですからね~
図書館の魔女の息抜きに読んでたんですけど先にこっち読み終わっちゃったな。
佳境に入ってるのでほんともうはやく読み進めたいです。