「CIPHER」「ここはグリーン・ウッド」「花ざかりの君たちへ」「ゴールデン・デイズ」
引きこもっている間に季節が進んでいてびっくりします。
この間まで明るくなるのが遅かったのに、もう5時前には明るくなっててそんなところで季節の移ろいを感じる…。
近所のパン屋に好きなパンがありまして。
この間どうしてもそれが食べたくなって行ったら、最後の一個が目の前で売り切れてガーンになりました。
しかもそのあと何度か赴いても出会えていなくて、逆に出会うまで通い続けてやる…という気持ちになっています。
私はBLが好きです。
が、それ以上に「男と男の膨大感情」というのを愛していまして…死ぬまでに一つでも多くの男と男の膨大感情に出会いたいのです。
いわゆるBLとして書かれていない、一般の小説や漫画からそういった男と男の感情を得るのがいちばん好きなんですけど、やはり発掘するのにかなりの時間と労力を要します。
それっぽいのをしらみ潰ししていくわけですから…。
で、結局BLというジャンルは初めから「男と男」を目的に書かれているのでBLを読むのがいちばん手っ取り早いんですよね。
それでBL小説ばかり読んでいるんですけど。
前振りが長いですが、最近白泉社の少女漫画を続けて読みまして、そこから男と男の膨大感情ものを4つ紹介しようと思います。
前振りが関係ないですね。
白泉社さんは本当に…本当にすばらしいです…。
他の少女漫画誌とは毛色の違うファンタジー色が強い漫画、ちょっとアヤシイ男と男のニアBLもの…、多くの女子の性癖をこじらせる原因となったことでしょう…。
私もそんな一人ですが。
①「CIPHER」
CIPHERは最近、男と男検索(男と男の膨大感情作品を求めてネットの海を彷徨う事)をしているときにすごくおすすめしてる方が多くて手に取りました。
愛蔵版が発売されていて、カラー収録や対談、雑誌掲載時の柱など掲載されているのでおすすめです。
全7巻。
あらすじをかいつまむと、ニューヨークの美術学校に通うアニスという女の子が〝双子〟の俳優に出会います。
その〝双子〟は2人で1人を演じているという秘密がありまして。
で、アニスが2人を見分けてやる!と言って交流するところから話が始まります。
3人の交流から、双子の成長、アニスの成長…いろんな事が描かれています。
80年代の漫画なのですが絵柄が古すぎず、描かれている小物や洋服がすべてとんでもなく可愛いです。
男の子の服って描くとバリエーションつけるの大変なんですけど、CIPHERは本当に毎回洋服の幅がすごくて見てるだけで楽しくなれます。
背景の部屋とか、小物とか、細かいところもアメリカンで本当にかわいいんです…。
以下、核心には触れませんが少しネタバレ含みます。
まずは何といっても双子ですね。
双子の共依存とか自立とか、そういったのが好きな方はたまらないんじゃないでしょうか。
美しい双子は世界を救います。
シヴァ派かサイファ派か、全オタクと語り合いたくなること間違いなし。
私はシヴァ派です。長髪がいちばんLove。
初期の二人はドロドロに依存しあっていて、キス描写とかもあるのでラッキースケベな気分になれます。
男と男の膨大感情ポイントとしては、まあ色々…ほんとうに色々ありまして、シヴァ(双子1)はアレクサンドラ、サイファ(双子2)はハルという、それぞれ違う男の子と出会うんですけど…。
このそれぞれ出会った男の子とのお話がとっても良いんです…。
双子の膨大感情で始まった話が、それぞれ違う男と出会い、また双子の膨大感情へと還ってくるんですけれど…。
あとは読んでみていただきたいと思います。
そして少女漫画ですが、これは本当に…少女漫画という枠では収めきれない…「愛」のお話です。
いろんな人のいろんな愛の…愛とは友愛であり、恋であり、依存であり、別離であり、許すことであり…たくさんの「愛」です。
久しぶりに難しい漫画に出会ったなと思って…ヌルいものばかり読んでいた自分を恥じました。
何度も何度も読んで、じわじわ良さが分かる漫画だと思います。
これを読まずに双子の感情を語るな!と言いたい。
途中までは明るいのですが、決して底抜けに明るくなく、根底に暗さがある話で…これを少女漫画誌で連載していたのか?と問いたくなります。
いや素晴らしいという意味で。昔の作品って本当に深さが素晴らしいですよね。
BLではありません。男と男の膨大感情です。
②「ここはグリーン・ウッド」
これは前々から気になっていたのですが、ゴールデンウイークに全話無料配信がありましてそこで読む機会に恵まれて読みました。
白泉社さんのやってくれる全巻無料配信、本当にありがたい企画ですよね…。
こちらは文庫版が発売されています。全6巻。
愛蔵版もあるみたいなんですど、もう手に入りづらいんですかね?
あらすじをかいつまむと、蓮川一也という男の子が全寮制の名門男子校「緑都学園」に入学しまして、その学園と寮で巻き起こるドタバタ日常コメディ…という感じです。
割とコメディ色が強いのでサラーーっと読めます。
ちょっとファンタジック…というかほんとにギャグ調なので、お前人じゃないよね?みたいな人が普通に出てきたりします。
なので深いことはツッコまず本当にサラーっと読むのがおすすめです。
主要人物が4人いて、主人公の一也、ルームメイトの瞬くん、寮長の光琉、そして光琉のルームメイトで生徒会長の忍、がメインで話が進んでいきます。
以下はネタバレ含みます。
で、この寮長の光琉と生徒会長の忍、ふたりは同室!の膨大感情がとんでもねえです。
なんか最初の方からヤバげな香りをかもしているのですが、突然ブチ込まれるふたりの過去編で全員死んだんじゃないですか?
私は死にました。
光琉はタレ目のイケメンで、明るくて自由で、みんなから愛される愛嬌100%の良い男であり、寮長…。
忍はいつも物静かで一見良い先輩なんですけど、裏では頭が良くて計算高くて冷徹で人を人と思ってないようなところがある、生徒会長、なんですけど…。
そんな、正反対な2人が、補い合うように同室なんですけど…。
しかも人に一線を決して超えさせない忍が光琉にだけはそれを許している様子なんですけど。
様子がおかしいんですよね…。
作品のどっかで「1番こわい人と1番強い人は違う」っていう台詞が出てくるんですけど、それを見たときに死にそうになりました。それだ。
これは個人の見解なのですが、光琉からの矢印が大きいように見えて、水面下でもっとデカいのが忍からの矢印なんですよね…狂ってやがる。
しかも生徒会長と寮長という長同士…膨大感情だ~~!!!
そして最終回の最後でオタクはまた全員死んでしまいます。
ふたりの家庭のそれぞれも重くて、そこも併せて膨大感情でしたね…。
この2人の左右はぜったい好みが出るので、世界中の人にどっちが左右か問いただしたい。
いや膨大感情だから左右とかじゃないんですけど…(早口)
あと、藤掛くんと渡辺くんという男同士の公式カップルが出てくるのですが、この二人がめっちゃ癒しでした。
一編まるまる2人の短編があるんですけど、もっとくれ…と思わずにいられなかった。
全体的にコメディタッチなんですけど、4人それぞれ家庭に色々を抱えていまして…それぞれ乗り越えるところなども描かれていて、割と重いところもあるなあと思います。
長髪男子の瞬くんもめっちゃ好きでした。
いちばん漢らしかったな。
世代ではないので適当な事言ってたら申し訳ないですが、寮モノの走りなのかもしれないですね。
今は寮モノってあんまり見なくなりましたね。
③「花ざかりの君たちへ」
みんな大好き花君だ!
中学生の時に読んでいてそれっきりだったんですけど、これも最近の全巻無料で読み返しました。
というかさっき読み終わりました。
花君も愛蔵版が出ています。
ドラマも(別物として)めちゃくちゃ良かったですよね~。
昔は登場人物の名前が大阪の駅名とか知らずに読んでいたのですが、今読んだらめっちゃ分かって面白かったです。
花君も寮モノですね。
アメリカ住まいの主人公・芦屋瑞稀という女の子が同い年の佐野という男子ハイジャンプ選手に憧れます。
その選手を追って海を越え、日本の桜咲学園という学園に転校するんですけどそこは全寮制男子校、そしてその佐野という男子と寮が同室になってしまい…という性別逆転逆ハーレム(?)です。
学園、寮、逆ハー、性別偽り、そして様々な美しい男…THE・白泉社って感じで最高です。
花君はとにかく男の子がたくさん出てきて矢印がいっぱいあるので、1人は性癖ビ~ンゴ!な男子が見つかるんじゃないでしょうか。
カップリングを見つけるのが楽しいというか。
ズルい男もたくさん出てきます…。
以下は結構ネタバレ含みますのでご注意。
まず保健医の梅田北斗、彼は公式ゲイなのですが彼の過去短編は相当性癖をこじらせます。
ここをこじらせたひとは退廃耽美に溺れてしまうだろうな…みたいな…。
あと寮長の難波南、彼はこんなニアBL作品でいちばんBLの空気を醸し出しているのに本当に女しか好きじゃないから最高ですね。
難波南の過去話、難波南のオタク全員悪い意味でメッタメタに殺されちゃうんじゃない?大丈夫?と心配になっちゃう。
大丈夫ですか?(安否確認)
難波に恋をする中央くんという(顔は)めちゃくちゃ可愛い(中身は漢の)男の子が居るのですが、彼が届かないとわかっててちゃんと想いを伝えたところがとっても良いです…。
あと中津…中津…おまえは本当にいいやつだよ…。
途中からはもう中津がんばれ…という気持ちにしかならない。
私は萱島が一番好きなのですが、萱島と中津の関係がいちばん好きですね。
決して腐的な意味じゃなく膨大感情、ルームメイトと友情のハイブリット膨大感情です。
あと寮長3人の集まりがすごい好きで…昔からタイプの違う3人の組み合わせがすっごい好きです。
基本的に男と女には興味が無いのですが、天王寺のとこのカップルと姫島とひばり様の利害一致コンビは良いですね。
あと長ランがほんとかっこいい。
九条先輩もいちばんヤバイ奴だと思っているので好きです。
主人公のふたりは終始勝手にやってろって感じなのであえて触れません。
佐野はハイジャンプで壁にぶつかったり、家の問題あったり、理性を試されたり、なかなか試練が多いですが、彼は頭がいいのでそこがまた良い。
この作品は矢印がいっぱいある割に、どうにもならない矢印が多いのも妄想の余地があって好きです。
叶わないデッカイ矢印もいくつかありますが…。
花君はラストがファンタジーじゃなくていいですよね。
普通なら卒業までバレずラブラブになって完遂!となりそうですが…1年間の話なのがまたいいなーと思います。
学生の時に読んでおいて良かった~と思える作品です。
学園ものなのにスマホや携帯が出てこないの、時代感じますね…でも私はスマホとか携帯が出てこない作品が好き。
④ゴールデン・デイズ
これは割と最近になってから友人に勧められて読んだのですが…。
大人になって一番泣いたんじゃないか?ってくらい泣きました…。
ゴールデンデイズは文庫が出ています。全4巻。
個人的には文庫版をおすすめします。
4巻の最後に書き下ろされている短編漫画が割と本編でこれがまたすんごい泣けるので、4巻だけでも文庫版購入をおすすめします。
おすすめします!(3回言った)
これはタイムスリップものなんですけど、大正時代へとタイムスリップします。
主人公・相馬光也という現代の男の子が、祖父の見舞いで訪れた病院で階段で足を滑らせタイムスリップしてしまい、そこで春日仁という男の子に出会い…。
光也はどうしてタイムスリップしてしまったのか?2人の出会いで未来が変わるのか?
という、大まかにいうとそういうあらすじなんですが…。
この光也と仁の膨大感情が、ほんととんでもなくて…。
とんでもないというかじわじわ、じわじわと侵略してきて…最後に爆発します。
話自体は割と淡々とした感じで進んでいくんですが、その分じわじわと…。
読んだ方ならわかると思いますが、最後の追い上げ、ほんとうに死にそうなくらい涙が出ます。
私は読み返すのが怖いです。
ト…・ストー…ー3のラストくらい泣いてしまうもんな。
あと大正モノとか名家とか華族とかお家とか、そういう混沌とした日本モノが好きな方には絶対に刺さると思います。
これは本当に、本当に聞いて欲しいお願いなのですが、ゴールデンデイズは絶対にネタバレを踏まないで浴びて欲しい作品です。
その方が最後に受け取れる膨大感情がケタ違いに素晴らしいです。
なのでぜひ…ここでブラウザを閉じて…ネタバレなしで読んでくださいね…。
私は言いましたよ…。
以下は本当にがっつりラストまでネタバレしていますのでご注意ください。
とりあえず、私は「BLのカップリング」としては仁と慶光がめちゃくちゃタイプです。
慶光の「俺はお前と 縁の切れるような そんなものには決して なりたくないんだ」というセリフを見たときウワーーになりました。
この二人の膨大感情は闇深くて根強い…。
でも膨大感情の良さは仁と光也です。
仁がどんどん光也に惹かれていって、どんどん恋みたいなもの…をしていくのが分かって、もう本当にめちゃくちゃになりそうなくらいよかった…。
仁の抱えているものの大きさとか昏いところを、光也は引きとどめてくれていたなあと思います。
ていうか慶光めっちゃズルい男やんけ。
そして、ゴールデンデイズは光也が現代に帰ってきてからが本番ですよね…ここから本当に涙が止まらなかった…。
最後、2人は離れることになるわけですが、仁の人生にはずっと隣に光也がいて、光也のこれからの人生にも隣に仁は居るんですよね…。
二人の距離が遠ざかるほどに、変わりに一緒に居る時間はずっと長くなる……。
仁は戦争に行くことになったわけですが、それは光也が生きる世界を守ったということで。
そして仁が守った世界の下で光也が生きていくことは、仁の幸福は時を超えて光也に還ってきたことになるんだなあと…。
同時に「お前の何になるのかな」と言ってた光也は仁の幸福になったんだなあと思います。
「決して不幸には支配されない」「幸福にも支配されない」仁が、光也の「幸せであれ」という願いに一生を支配されて最後まで身を捧げたの、あまりにも美しすぎて死んじゃう。
光也、世界は美しい…。
以上、最近読んだ白泉社の少女漫画の膨大感情シリーズでした。
最近はかわい有美子先生の作品を読んでます。
あと白鷺シリーズなんかも読みました。
引きこもりでほんとうにやることが無いのでもはや毎日ブログ書こうかな。