いろいろ

読んだ本の感想とか。男と男の膨大感情が好き。

「左近の桜シリーズ」

もうすっかり春ですが世の中は大変な事になってますね…。

早く落ち着くことを祈るばかりです。

個人的にはいつも引きこもっているので過ごし方としてはいつも通り何も変わらない、大得意で大歓迎です。

引きこもり最高。

学生や、政治家や、国民全員に十二国記を配るべきだと本当に思うのですが…

「国を治めるとは」を浴びて欲しい…

本当に、王と麒麟が居たらよかったのになあ。驍宗さま~!

 

 

春なので、桜にちなんだ大好きなシリーズのことを書きたいと思います。

左近の桜 (角川文庫)

左近の桜 (角川文庫)

 

 左近の桜シリーズは、言わずと知れた長野まゆみ大先生のシリーズです。

現在3冊刊行されていて、ハードカバーで出版されていますが1と2は文庫化しています。

3も早く文庫化されて欲しいとずっと待ち望んでいる…。

1「左近の桜 (角川文庫)

2「咲くや、この花 左近の桜 (角川文庫)

3「さくら、うるわし 左近の桜

ちなみにシリーズは現在も続いています。

 

長野まゆみ先生、本当に大好きで学生の頃に文字通り読み漁りました。

日本語が本当に美しくて、綺麗なのにどこかクールというか冷たくて、たまらないですよね。

このシリーズは初期のあの少年が出てくる絵本みたいな感じではなく、凛一シリーズのような高校生の男の子が主人公のシリーズです。

先生の作品なのでそこはもちろんニアBLというか、男と男の耽美小説です。

 

 

以下は若干ネタバレ含みます。

 

 

主人公は高校生の桜蔵くんです。

長野先生の青年だ~!って感じの儚い男子です。

この桜蔵くんは、いわゆるあの世のニンゲンを惹きつけやすい体質で、いつも気付いたらあちらの様々なオトコに絡まれまくっている…

のを、まあ、結果成仏させている…話です。

この成仏のさせ方が、直接は全く書かれていないのですが、まあ…交わって欲望を満たしてあげている…という形になるのですが…

そう、桜蔵くんはあちらの人とそういう事ができる特殊体質なのです(語弊)

と、私が文字で書くととっても下品なのですが、長野先生の日本語で物語が紡がれるととても美しくて、本当に夢十夜を読んでいるみたいです。

まあ、ビッ…と書かれているのもたまに見るのですが、私は一編一編がほんとうに美しいのであんまりそこのところは頭に入ってきません。

そう、生と死が交わるんですよね。

桜の下には死人が…という言い伝えも昔からありますが、桜蔵を中心に生と死と夢と現実と全部が曖昧になって、春の午後の微睡みのような、そんな不思議で妖しい雰囲気の物語です。

 

 

中身は短編集なので、とても読みやすいです。

耽美な現代夢十夜、バージョン男と男、みたいなイメージです。

でも一編一編が、さすが長野先生で、不思議で不気味で綺麗で耽美で、本当にとっても素晴らしいんですよ…。

すっごい綺麗だけど悪い夢みたいというか…。

苦手な方はたぶんダメだけど、好きな方は本当に好きだと思います。

もちろん、長野作品に高確率で出現するズルカッコいい大人とか、主人公に絡んでくる少し気の強いような感じの高校生くらいの男の子とかも出てきます。やったー

柾はほんとうにズルい大人ですよ…

桜蔵の家の事とか、家族の関係とかも長野節が効いててやってんな!の顔になります。

読者の方ならきっとなったはず。

 

 

シリーズ後半になるにつれ、一編一編がだんだん重くなっていく気がして、3(さくら、うるわし)は結構暗いなあと思います。

若干ホラーと言われても否定は出来ないような…。

でもそこも好きなんですけどね。ホラーではないので安心してください。

不気味が強くなるというか。

あと、3(さくら、うるわし)のハードカバーは装丁がとっても素敵なので、文庫化されても余裕がある方は3はハードカバー購入をおすすめします。

装丁本として普通に美しいです。(装丁オタク)

黒のつや消しっぽい紙に、日本画のような美しいイラスト、タイトルはくすんだ桜色の箔でスピンもピンクです。

センスの塊か?

 

 

基本的にどの話も本当に好きなのですが、私が一番好きな話は、2(咲くや、この花)に入っている「ヒマワリ」です。

なんでかわからないけど何度も読みたくなって相当読んでます。

最後の「草生す屍を追いやった」って一文がとても好きなんですよね…。

割と2巻目が好き。

「千紫」も好き…紫の見本帳ってところが美しすぎるし、この話は柾がズル。

あと桜蔵くんが追いつめられるのがイイです。

「灰かぶり」も好きです。タイトル通り、ファンタジックで。

1だと「骨箱」が好きです…蝶が…エッチで…「泣かすぞ」が…最高。

「六月一日晴」と繋がっているのですが、これも良いですよね…

「海市」も好きです。古い民家、花嫁、蛤、いやこれは一周回って年齢制限が必要では?

 

 

好みは分かれる作風ですが、そこらへんのBL小説を読むよりよっぽどやらしいと思うので、おうちに居てやることが無い方は是非読んでみては如何でしょうか。

私は春になると必ず読みたくなります。

 

 

咲くや、この花 左近の桜 (角川文庫)

咲くや、この花 左近の桜 (角川文庫)

 
さくら、うるわし 左近の桜

さくら、うるわし 左近の桜

 

 

 

 

こういう一般小説のBLじゃない男と男の膨大感情小説が好きで、さんざんいろいろ読み漁ったあげく、最近は「CIPHER」にたどり着きました。(古い少女漫画)

膨大感情小説も、BL小説も、好きなシリーズたっくさんあるのでちょっとずつ書きたいな!