いろいろ

読んだ本の感想とか。男と男の膨大感情が好き。

「宝石商リチャード氏の謎鑑定」


前々から目に入ってて知ってたシリーズ。
買うまではいかないのでスルーしてたんですが、図書館にあったので借りてみました。


勝手なイメージで「石にまつわる"硬め"のミステリー」(石だけにな!)だと思ってたんだけど、どちらかというと人情ミステリーというか、人と石の関係の話でした。(うまいこと言った顔)
最近は謎を解くのがメインなミステリーより、人の感情とか関係を見るのが好きなのでやった〜!と思った。
ミステリーってすごく面白いけど読むのすごく疲れるんですよね…。
中身も短編でライトノベル風味なのでサクサク〜と読めました。
学生の頃は長編が好きで短編の良さが分からなかったんだけど、成長してある日急に大好きになったんだよな…。
私はBLを好むんですけど、表紙の感じでお察しですがそういう要素も何とな〜くあります。
全然そういうのとしては書かれてないですが。
男2人バディものというかコンビものというか、良いですよね。


「きれい」や「美しい」の価値は、人それぞれ。
何を「きれい」として、そこにどんな価値を見出すのかはその人次第で、自分以外に強要する事はできないし、説明するのも難しい。
今日は元旦で、部屋の窓を開けたら向かいのお家が玄関先に国旗を立ててました。
ここは雪国なのでまわりは雪で真っ白で、冬の雪の空気のにおいがあって、雪の香りがして。
歩いてる人もいなくて静かで、ちょうど暮れの時間帯。
良いなあって見てたら白鳥が1羽空を飛んでいったんです。
私はこの景色がすっごく、「綺麗」だなあって思いました。
でも「ただの一瞬の景色」としか感じない人もいるんですよね。
美しいの価値。

宝石は何も言わずに輝きを放っていて、輝きに価値を見出すのは人間で、何百万を見出す人も居れば無くても困らないってなんの価値も見出さない人もいる。
でも人は一人ひとり違うから、「あなたはそういう価値観なのね、でも私はこう」以外の何でもない。
作品中の「宝石の歴史って、ひとがひとを喜ばせようとする歴史の積み重ねだと思うんです」という言葉がすごく好きです。
綺麗なものを見て、綺麗だなあ、幸せだなあって思う気持ちを、大切な人にも感じてほしいっていう気持ち。
宝石に対しての価値はそれぞれでも、それに込めた気持ちや願いの価値は、値が付けられない最上の贈り物だと思います。


宝石、大好きなんですがまた少し好きになりました。
次巻も機会があったらまた。